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Netflixの資金力とハリウッドのスターシステムが生み出した、究極のブロックバスター
2021年にNetflixで配信が開始され、オリジナル映画として最大規模となる推定2億ドル(約300億円)という巨額の製作費が投じられた超大作アクション・コメディ『レッド・ノーティス』。配信後28日間で3億6400万時間以上というNetflix歴代トップの視聴記録を叩き出した本作は、ドウェイン・ジョンソン、ライアン・レイノルズ、ガル・ガドットというハリウッドのトップスター3人を画面に同居させる力技で作られました。
メガホンを取ったのは、『セントラル・インテリジェンス』や『スカイスクレイパー』でドウェイン・ジョンソンとタッグを組んできたローソン・マーシャル・サーバー。古代エジプトの秘宝を巡り、凄腕のプロファイラーと世界最高の詐欺師たちが世界中を飛び回るという、いかにも景気の良いプロットです。
海外レビューサイト(IMDb)でのスコアは6.3/10。レビュー欄を見ると、「週末に頭を空っぽにして楽しむには最高」という好意的な意見と、「『インディ・ジョーンズ』と『007』を継ぎ接ぎしたような中身ゼロの映画」という冷徹な批判が真っ二つに分かれています。
深い人間ドラマや映画史に残るカタルシスを求める作品ではありません。超豪華な俳優たちが、超高額なセットとCGIの中で、いつもの自分(パブリックイメージ)を演じてじゃれ合う姿を楽しむためのテーマパークなのです。なぜ本作はこれほどまでに「既視感」に溢れているのか、その愛すべきツッコミどころと、計算し尽くされたエンタメの全貌を徹底解剖します。
- おすすめ度: ★★★☆☆(3.0/5.0)※難しい理屈は一切抜き。ピザとコーラを用意して、スターたちの華やかなアクションと掛け合いを笑って楽しむための娯楽大作です。
- こんな人におすすめ: ライアン・レイノルズの「デッドプール的なおしゃべり」が大好きな人。ドウェイン・ジョンソンの筋肉と、ガル・ガドットの美貌をひたすら愛でたい人。
1. 作品情報とIMDbスコア(世界基準の客観評価)
IMDbスコアは6.3/10。「良くも悪くも予想通り」という評価が的を射ています。3人のスターのケミストリーやアクションのテンポの良さは評価されていますが、「ライアン・レイノルズがどの映画でも同じ演技をしている」「CGIが安っぽい」といった厳しい指摘も多数寄せられています。
| 項目 | 詳細データ |
|---|---|
| 邦題 / 原題 | レッド・ノーティス / Red Notice |
| カテゴリー | 長編映画(アメリカ / Netflix製作) |
| ジャンル | アクション / コメディ / スリラー |
| IMDbスコア | 6.3 / 10 (スターの魅力とテンポの良さは高評価、脚本の既視感に批判も) |
| 製作費 | 約2億ドル(Netflixオリジナル作品として最大規模) |
| 監督 / 脚本 | ローソン・マーシャル・サーバー |
| 公開年 / 上映時間 | 2021年 / 118分(PG-13指定) |
主要キャスト・登場人物と本作における役割
本作の魅力は、俳優たちが自身の「パブリックイメージ」を全力で演じている点にあります。
| キャラクター | キャスト (Cast) | 役柄・物語のテーマにおいて果たす役割(深掘り) |
|---|---|---|
| ジョン・ハートリー (John Hartley) | ドウェイン・ジョンソン (Dwayne Johnson) | FBIの凄腕プロファイラー。巨漢で真面目、そして「いつも厄介事に巻き込まれる」というキャラクター。相棒となるブースの軽口に対する「ツッコミ役」として機能し、肉弾戦を真っ向から引き受けます。 |
| ノーラン・ブース (Nolan Booth) | ライアン・レイノルズ (Ryan Reynolds) | 世界最高の美術品泥棒を自称する男。口八丁手八丁で常に冗談を飛ばし続ける姿は、海外レビューでも「マスクを被っていないデッドプール」と評されるほど、彼自身の持ちネタが全開です。 |
| ビショップ (The Bishop) | ガル・ガドット (Gal Gadot) | ハートリーやブースの裏をかき続ける、謎に満ちた世界最高の美術品泥棒。圧倒的な美貌と戦闘力で男たちを翻弄します。クールな悪役を楽しげに演じており、物語の鍵を握る存在です。 |
| ウルヴァシ・ダス (Inspector Urvashi Das) | リトゥ・アルヤ (Ritu Arya) | インターポール(ICPO)の捜査官。ハートリーとブースを執拗に追いかけますが、本作が「泥棒同士の騙し合い」を主軸としているため、コミカルに振り回される役回りを担っています。 |
2. 『レッド・ノーティス』あらすじ(ネタバレなし)
「クレオパトラの“黄金の卵”を巡る、騙し合いのデスゲーム」
古代エジプトの女王クレオパトラが残したとされる、3つの黄金の「卵」。その1つがローマの美術館に展示されることになり、FBIのプロファイラーであるジョン・ハートリー(ドウェイン・ジョンソン)は、インターポールのダス捜査官と共に警備に当たります。そこに現れたのは、世界最高の美術品泥棒ノーラン・ブース(ライアン・レイノルズ)。ブースの逮捕に成功したハートリーでしたが、直後に謎の泥棒「ビショップ」(ガル・ガドット)の策略にハマり、自らも卵を盗んだ濡れ衣を着せられてしまいます。
「レッド・ノーティス(国際手配)」を出され、ロシアの極寒の刑務所に収監されたハートリーは、隣の檻に入れられていたブースと再会します。汚名を返上したいハートリーと、世界一の泥棒の称号を取り戻したいブース。目的は違えど「ビショップを出し抜く」という共通の利害を持った2人は、渋々ながら手を組み、刑務所からの脱獄を図ります。
ロンドン、ロシアの雪山、スペインの闘牛場、そして南米のジャングルへ。3つの卵をすべて手に入れた者が勝者となるこの壮大な宝探しゲームで、裏切りと騙し合いを制するのは果たして誰なのか?
3. 海外の評判・レビューと「賛否が分かれる理由」
アクションと笑いのテンポは抜群ですが、随所に見られる「ハリウッド的なご都合主義」がツッコミの的となっています。
👍 評価される点:軽快なテンポとバディ・コメディの完成度
- ドウェイン・ジョンソンとライアン・レイノルズの掛け合い:
真面目な筋肉ダルマと、おしゃべりな詐欺師。古典的な「バディ・コメディ」のフォーマットとして、この2人の相性は抜群です。気の利いたジョークとテンポの良い掛け合いが、映画を最後まで飽きさせずに引っ張っています。 - 頭を空っぽにして楽しめるエンタメ性:
流血や過激な暴力描写がなく、ひたすら派手なアクションとコメディが続くため、「何も考えずに楽しめる」娯楽大作として高く評価されています。
👎 批判・注意点:中身のない脚本と、不自然な合成
- 過去の名作の安易な模倣:
秘宝探し、ジャングルの探索、ナチスの隠し金庫など、設定の多くが「『インディ・ジョーンズ』や『ナショナル・トレジャー』の寄せ集め」であり、本作独自のオリジナリティに欠けるという批判が目立ちます。 - コロナ禍の影響による「グリーンバック」の多用:
「世界中を飛び回る」という設定ですが、実際は新型コロナウイルスの影響で海外ロケが大幅に制限され、多くがスタジオでのグリーンバック(合成)で撮影されました。そのため、海外レビューでも「闘牛のシーンなどのCGが不自然」と指摘されています。
① インターポールは「銃を撃って逮捕」しない?
劇中、インターポールの捜査官たちが重武装で主人公たちを追い詰め、逮捕しようとするシーンが何度も登場します。しかし、これに対して海外の映画ファンから的確なツッコミが入っています。「インターポールは各国の警察のデータ共有や支援を行う国際機関であり、自ら法執行権を持ったり、銃を携帯して逮捕を行うことはない」。 この強引な設定も、本作のB級感を底上げしている一因です。
② スターたちの「商魂たくましい」プロダクトプレイスメント
映画を注意深く観ていると、主演俳優たちが実際に手掛けているビジネスの「商品」が不自然なほど画面に登場します。ドウェイン・ジョンソンがプロデュースするテキーラ(Teremana Tequila)や、ライアン・レイノルズが所有していたジン(Aviation Gin)のボトルが、バーのシーンなどで堂々と映り込んでいます。 巨額のギャラを受け取りながら、自社製品の宣伝もこなす彼らの逞しさには感服します。
⚠️ WARNING ⚠️
ここから先はネタバレを含みます。
3つの卵の行方と、物語を根底から覆す「最大のどんでん返し」について解説しています。
4. 【ネタバレ解説】裏切りの連鎖と、予想外の“あのオチ”
ナチスの隠し金庫と、最後の「卵」の行方
南米のアルゼンチンのジャングル奥深く。そこには、かつてナチスが隠したとされる地下金庫が眠っていました。ついに「第3の卵」を見つけ出したハートリーとブース。しかし、そこに先回りしていたビショップ(ガル・ガドット)と、インターポールのダス捜査官率いる部隊がなだれ込み、三つ巴の激しいカーチェイスが展開されます。
追手を振り切り、ついにビショップを出し抜いたかに見えたブース。しかし、彼の手から卵を受け取ったハートリーの様子がおかしくなります。そしてハートリーは、敵であるはずのビショップと熱い口づけを交わすのです。
最大のどんでん返し:ハートリーの正体
ここで本作最大のツイスト(どんでん返し)が明かされます。ハートリーはFBIのプロファイラーなどではなく、最初からビショップとグル(恋人同士)だったのです。「ビショップ(チェスの駒)」という名前は個人名ではなく、ハートリーと彼女の「2人組の泥棒」を指すコードネームでした。彼らは、第3の卵の隠し場所を知る唯一の人間であるブースを利用するため、わざと刑務所でハートリーをブースに接近させ、脱獄から宝探しまでを「泳がせて」いたのです。
まんまと騙され、木に縛り付けられたブース。ハートリーとビショップは3つの卵をエジプトの大富豪に売り払い、莫大な報酬を手にして、豪華なヨットで優雅なバカンスに出発します。
結末:昨日の敵は、明日の強盗仲間
バカンスを楽しむハートリーとビショップのヨットに、なんとブースがやって来ます。ブースはインターポールのダス捜査官に彼らのオフショア口座(秘密口座)の情報をリークし、2人の全財産を警察に凍結(没収)させていたのです。
一文無しになった2人に対し、ブースは「新しい大きな仕事(ルーヴル美術館での強盗)」を持ちかけます。ハートリー、ビショップ、ブースの3人は手を組み、インターポールが迫る中、次なるターゲットであるパリへと向かいます。こうして「世界一の泥棒3人組」が誕生し、明確に続編を匂わせる形で映画は痛快な幕引きを迎えます。
5. まとめ・視聴方法
『レッド・ノーティス』は、深いテーマや革新性を求める作品ではありません。「スターの魅力と派手なアクションがあれば、それだけで映画は成立する」というハリウッドの王道エンターテインメントを、ストレートに提供してくれる作品です。細かいツッコミどころは笑い飛ばし、極上の“暇つぶし”として楽しむのが正解です。
どこで見れる?(配信状況)
本作はNetflixオリジナル作品として、Netflixにて独占配信中です。以下のリンクから公式配信ページ、およびAmazonでの関連作品をチェックしてみてください。
※配信状況は執筆時点のものです。本作はNetflix独占配信のため、Prime Videoでの無料配信はありません。
▼ 次に見るべき関連作品
- 『セントラル・インテリジェンス』(2016年): ローソン・マーシャル・サーバー監督とドウェイン・ジョンソンがタッグを組んだアクション・コメディ。相棒役のケヴィン・ハートとの掛け合いが秀逸です。
- 『ナショナル・トレジャー』(2004年): ニコラス・ケイジ主演。歴史の謎を解き明かす「宝探し映画」のマスターピース。本作がいかに王道のアドベンチャー要素を踏襲しているかがよく分かります。
